後編 よく分かる!カリフォルニアの固定資産税と「Proposition 19」について
前回は、固定資産税の引継ぎに関する仕組み、Proposition 19 について、親子間(祖父母孫間)のケースをお話ししましたが、自分自身で住み替える場合にもこの引継ぎ制度を使うことができる場合もありますのでそちらを見ていきましょう。
おさらい
Proposition 19 が適用できるケース
親子間または祖父母―孫間での不動産の引き継ぎ(前回のお話)
55歳以上の方(今回)
重い障がいを抱えている方
災害で被災した方
今回は、55歳以上の方や重度の障がいを持つ方が対象となるケースです。この場合は、自宅(Principal Residence)の住み替えを行う際にも固定資産税の評価額を引き継ぐことができます。
もともとは Propositions 60・90・110 として存在していた制度で、
引き継げるのは特定の郡のみ
一生に一度しか利用できない
といった制限がありました。しかし、2021年4月からProposition 19として刷新され、内容が大きく緩和されています。変更点は次の通りです。
カリフォルニア州内であればどの郡でも引き継ぎ可能
一生に最大3回まで利用できる
適用の条件と仕組み
この特例を受けるには、自分が実際に住む主な居住地であることが前提です。そのため、残念ながら賃貸物件には適用されません。さらに、次のようなルールがあります。
買い替える家の購入額が現在の家の市場価格と同等またはそれ以下であれば、固定資産税の基準額をそのまま引き継げます。
一方で、新しい家の価格が今の家の市場価格を上回る場合は、その差額分だけ再評価され、既存の評価額に上乗せされる形になります。
具体例
たとえば、58歳のあなたは
現在の家を30年前に $300,000 で購入し、現時点での固定資産税の基準評価額を$420,000と仮定
今の市場価格は $700,000
上記を踏まえて、カリフォルニア州内に新しく家を買って引っ越したとします。
新しい家の購入額が $700,000もしくはそれ以下の場合 → 既存(旧)評価額($420,000)をそのまま引き継げます。
新しい家が $800,000 の場合 → 購入価格 $800,000 − 売却価格 $700,000 = 差額 $100,000 に、旧基準額 $420,000 を加えた $520,000 が新しい固定資産税の基準額となります。(55歳を迎える以前で住み替えた場合は買値の$800,000がそのまま基準値となったはず)
ライフステージに合わせて家の大きさや場所を変えたいと思っても、長く所有しているほど固定資産税の上昇を気にして踏みとどまる方も多いかもしれません。しかし、このProposition 19を活用すれば、住み替え時の税負担を大幅に抑えられる可能性がありますので、今後、将来設計を考える上でも、知っておくと大きなメリットになる制度です。
不動産の所有形態やご家族の状況によって、適用可否や節税効果は異なります。実際に該当しそうな場合は、会計士や不動産専門の弁護士に相談されることをおすすめします。
情報元: https://assessor.lacounty.gov/homeowners/proposition-19