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カリフォルニア州不動産協会 (California Association of Realtors = C.A.R.) が8月12日付で発表した、2025年第2四半期(2025年4から6月)の「住宅購入可能性指数(Housing Affordability Index, HAI)」、世帯の収入でどのくらい家を買うのが簡単か難しいかを表した指数に関するリリース内容についての抜粋とまとめになります。

住宅の買いやすさ (affordability)について、2025年第2四半期は低下したものの、前年よりは改善

1. 住宅の値段と年収(カリフォルニア州全体)

  • 一戸建て住宅(既存住宅)の場合
    2025年第2四半期では 州の15% の世帯が 905,680ドル (カリフォルニア州の一軒家の中央値の価格: median price)の住宅を購入可能というデータが出ています。(2025年第1四半期は17%、2024年第2四半期は14%)

    必要な年収と月々の支払額(税金・保険含む)

    • 年収:約 232,400ドル

    • 月々:約 5,810ドル(30年ローン、金利6.90%、頭金20%を想定)

2012年第2四半期のピーク(56%)に比べると、購入可能性は依然として低水準です。

  • コンドミニアム・タウンハウスの場合

    住宅購入者の25%がカリフォルニア州の中央値の価格67万ドルのコンドミニアムまたはタウンハウスを購入できました(2025年第1四半期は24%、2024年第2四半期は22%)

    必要な年収と月々支払額

    • 年収:約 172,000ドル

    • 月々:約 4,300ドル(税込・保険込み)

2. アメリカ全体と比較すると

  • 米国全体では、34% の世帯が中央値価格(約429,400ドル)の住宅を購入可能

  • 必要年収:約 110,400ドル、月々支払い:約 2,760ドル

    カリフォルニア州に比べ、かなり購入しやすい状況です。

3. カリフォルニア州内の地域ごとの傾向

  • 購入しやすい地域(上位)

    • Lassen郡:約46%、最低年収要件は約73,200ドル

    • Glenn郡:39%

    • Tuolumne郡:38%

  • 購入しにくい地域(下位)

    • Mono郡:8%

    • Monterey郡, Santa Barbara郡:それぞれ10%(最低年収どちらも約232,800ドル)

  • 高年収地域

    • San Mateo郡:16%(必要年収:約 564,800ドル)

    • Santa Clara郡:17%(同:約 500,000ドル)

    • San Francisco:19%(同:約 459,200ドル)

4. 金利動向と今後の見通し

  • 実質金利(effective interest rate)

    • 第1四半期:6.93% → 第2四半期:6.90%(低下)

    • 前年同期(2024年第2四半期)は7.10%

  • 金利は少し下がりつつあるものの、依然として高水準。これは家の買いやすさ指数を引き続き抑える要因。

  • 今後は、経済の減速とともに金利はさらなる低下が見込まれるが、関税上昇やインフレの懸念もあり、FRBの政策判断が難しい状況

2025年第2四半期、カリフォルニア州では住宅の住宅の購入しやすさ指数が依然厳しく、一戸建てではわずか15%、コンドミニアム・タウンハウスでも25%にとどまっています。住宅価格の高さと高金利が主な原因です。特に都市部や海沿いの地域(例:サンマテオ、サンタクララ、サンフランシスコ)では必要年収が50万ドルを超えるなど、経済的負担が非常に大きい状況です。一方で、若干金利は下がり始めており、今後のインフレ動向や金融政策次第では購入しやすさが改善される可能性もあります。

情報元: https://www.car.org/aboutus/mediacenter/newsreleases/2025releases/2qtr2025hai

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