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あっという間に今年も9月に入ってしまいました。ロサンゼルス(特にサウスベイエリア)は日本と比べてもだいぶ過ごしやすいですが、それでも直射日光は日本よりも強い気がします。知人のアメリカ人が、We pay high taxes for the sunshine! と冗談を言っていましたが、それも確かに、と思うくらい連日晴れの南カリフォルニアです。
さて、今日は最近の気になった不動産関連ニュースを2件ご紹介しています。
アメリカ住宅市場に変化、20年ぶりに持ち家率下落
第2四半期の住宅所有世帯数は前年同期比で0.1%減少。わずかな下げ幅ですが、2016年以来の減少です。
一方、賃貸世帯は2.6%増加し、近年で最も大きな伸びとなりました。
背景には、住宅価格の高騰、高止まりするローン金利、不安定な経済状況があります。加えて、結婚年齢が上昇しており、家を購入する年齢も後ろ倒しになっていることも影響しています。
2025年7月のアメリカの住宅中央値は$443,867と過去最高を更新。ローン金利は6.56%で、パンデミック中の水準から倍以上に上昇しています。その結果、多くの人々が「購入より賃貸を継続する」選択をしており、住宅の資産価値(home equity)の形成を先送りしています。
ただし、今年初めに7%前後だった金利が直近ではやや低下(今日9/8時点で5.875%, APR 6.275%) しており、買い手を市場に呼び戻す可能性も出てきています。
2. なぜ海外投資家はカリフォルニア不動産を選ぶのか
アメリカ全体の不動産市場は停滞気味ですが、ベイエリア(サンフランシスコ)、特にシリコンバレーの市場は依然として強固かつ高額です。Realtor.comによれば、サンフランシスコで中間価格の住宅を購入するには年収$263,000が必要で、サンノゼでは$370,000の年収が求められます。
さらに、購入希望者にとって競争は一段と厳しくなりそう。2017年以来初めて、外国人によるカリフォルニア不動産投資が急増。その規模は2024年4月から2025年3月の1年間で78,100件、総額560億ドルに達しました。国別では中国が15%で最多、次いでカナダ14%、メキシコ8%、インド6%、イギリス4%という内訳です。
特に中国人バイヤーはカリフォルニアを最も好んでおり、購入先の36%がカリフォルニア、続いてメリーランドとニューヨークが各9%、ハワイ5%、ジョージア州4%となっています。全米不動産協会(NAR)のリサーチディレクター、Matt Christoperson氏によると、中国から近い立地に加え、世界第4位の経済規模を持つ州であることが大きな魅力とのことです。また、中国本土と違い、アメリカでの不動産購入は「土地を含めて所有できる」点がステータスになっているとも言います。
一部の投資家は現地を見ずに物件を購入することもありますが、最大の競争相手は依然としてシリコンバレーのテクノロジー業界です。4人に1人がストックオプションを現金化し、キャッシュで購入するほど。高額でも買われる背景には、優れた学区や職場に近いという地理的メリットが大きいと分析されています。(終わり)
情報元:
https://www.redfin.com/news/homeownership-rentership-rate-q2-2025/
https://www.cbsnews.com/sanfrancisco/news/bay-area-housing-market-increase-international-buyers/